
メンテナンスの考え方
中古車の場合、これまでの使い方やメンテナンス履歴によって車両コンディションが大きく変わりますので、まずは車の現状把握と初期メンテナンスをしてあげましょう。
実車や点検整備記録簿などから、これまでの整備履歴を確認、あわせて社外のチューニングパーツにかわっている箇所などもチェックします。
油脂類などの消耗品は、交換時期がきていたり、いつ交換したかわからない箇所は最初にまとめて交換してしまえば、次からは自分でメンテナンス時期を管理できるので安心だと思います。消耗品の交換については自動車メーカー指定の純正品を基本にして、用途に応じてより高性能なチューニングパーツも検討するよいでしょう。
初期点検&メンテナンスのポイント
- エンジンオイル、フィルター
- 駆動系オイル(ミッションオイル、デフオイル、オートマフルードなど)
- ラジエタークーラント(LLC)&ラジエターホース
- エアクリーナー(エアクリーナーエレメント)
- スパークプラグ&プラグコード
- ワイパーブレード
- バッテリー
- ブレーキPAD、ブレーキフルード、ブレーキホース(ブレーキライン)など
- タイヤ、サスペンション、ブッシュなど
- タイミングベルト、テンショナー、プーリーなど
尚、点検&メンテナンス作業は車いじりに慣れてる人なら自分でもできると思いますが、専門知識や技術が必要ですのでDIYが心配な時は、信頼のおけるSHOPに依頼しましょう。
エンジンオイル、フィルター
交換時期とともに、どんなオイルを使っているかも大切です。エンジンオイルには規格や粘度等 細かく規定されていて、愛車のエンジンに合ったものを使用します。
エンジンオイルへの要求性能が高いハイパワーエンジンやチューニングエンジン、省燃費設計エンジンでは、100%化学合成の高性能オイルをおすすめします。
駆動系オイル(ミッションオイル、デフオイル、オートマフルードなど)
エンジンオイルにくらべて、駆動系オイルは長い期間ノーメンテの場合が多く、劣化したオイルではシフトフィールが悪化したり、ギヤやシンクロを痛めてしまう恐れがあります。またオートマミッションのATフルードが劣化していると変速ロスが増えて、パワーロスや燃費悪化につながります。交換時期が過ぎてしまっている場合や整備履歴が不明な場合はまとめて交換してしまうのが安心です。また、パワステフルードも放置されがちです。劣化したフルードではステアフィールが悪化しますので、一度は交換しておくとよいでしょう。
※AT車やCVT車のフルード交換には、専用機器と専門知識が必要なため、信頼できるSHOPに依頼して下さい。
ラジエタークーラント(LLC)&ラジエターホース
ラジエタークーラントは年々ロングライフ化されています。最新のスーパーLLC(ロングライフクーラント)では耐用年数10年というものもありますが、それ以外の一般的なスーパーLLCで本来の性能を発揮できるのは長くて4~5年位、標準的なLLCでは2年位です。クーラントが劣化すると消泡性能や防錆機能が下がってしまうため定期的な交換が必要です。
交換の際はどうしても劣化した古いクーラントが残ってしまい、せっかくの高性能クーラントも本来の性能を発揮できないケースも多いです。HRSでは劣化した古いLLCを洗い流し、特殊な専用ツールで圧をかけてしっかり取り除いた上で、更に冷却系を真空にして新しいLLCをほぼ100%充填する方法をとっています。 -> HRS流 LLC交換
樹脂タンク式のラジエターでは4~5年以上経過すると樹脂タンクのカシメ部が劣化してクーラント漏れが発生する場合があります。またゴム製のラジエターホースも経年劣化しますので、ラジエター本体やホースもチェックして、劣化がある場合は一緒に交換してしまうとよいでしょう。
また、熱的に厳しいハイパワー車や競技車両には容量や冷却性能を上げたレーシングタイプのラジエターを選ぶとよいと思ます。
エアクリーナー(エアクリーナーエレメント)
エンジンに吸入する空気に含まれるごみやほこりをろ過するエアクリーナー、汚れがひどくなると吸入効率が落ちて、エンジン性能に悪影響がありますので、定期的な点検で清掃や交換が必要です。(交換時期は25000~50000km位と言われています)
車のチューニングを考えるとき、吸入効率の高いスポーツエアクリーナーは効果的でおすすめのアイテムです。いわゆる純正形状と呼ばれるタイプは集塵性能と吸気効率のバランスがよく、燃料調整も狂いにくいのでライトチューンにぴったり。
更に性能を追求する場合は、キノコ型やファンネルタイプと呼ばれる高性能フィルターもありますので、用途に応じて選択するとよいと思います。
スパークプラグ&プラグコード
スパークプラグは2万~3万ボルトの高電圧による放電で火花を発生させてエンジンに吸入された空気と燃料の混合気に着火する役割をしています。
高電圧とエンジン内の爆発に直接さらされ過酷な環境で働いているスパークプラグ、長い間には電極の消耗や発火部に燃えカスがたまるなど性能が劣化していくため、定期的な点検と交換が必要です。交換時期はプラグの種類やエンジン仕様によっても変わりますが、一般的なプラグで5000km~20000km位、ロングライフ設計が施されたプラチナプラグで60000km~100000kmと言われています。
中古車を買ったら、スパークプラグを点検して、電極摩耗やくすぶり症状があったら交換。交換する場合はメンテナンスサイクルを考えてロングライフのスパークプラグを使うとよいと思います。
通常、純正のプラグコードがダメになることは少ないですが、長く使っていると劣化してリーク等の不具合が出る場合もありますので、絶縁性・耐熱性・耐久性に優れるシリコンプラグコードを予防的に使うのもよいと思います。(プラグコードがむき出しで見える場合はエンジンルームのドレスアップ効果もありますし)
社外品のシリコンプラグコードを使う時は、ウルトラやNGK等がおすすめです。中には有名ブランドでも使いはじめて1年位でリークしてしまうケースもありますので注意が必要です。
ワイパーブレード
ワイパーブレードが劣化するとウィンドウガラスの拭き残しやビビリが発生して、良好な視界を確保できなくなります。(交換時期は1~2年位と言われています)
拭きムラやビビリなどの劣化症状が出たら、ワイパーブレードを交換してしまいましょう。
ワイパーに関連しておすすめアイテム、『ワイパーウォッシャーノズル』。ボンネット上のワイパーノズルをワイパーアームに移動します。
ワイパーの動くところにウォッシャーが吹き付けられて効率よくワイピングできます。一度使うとその便利さに手放せなくなりますよ。
バッテリー
バッテリーはエンジン始動時のセルモーターをはじめ、エアコンやオーディオなどすべての電装品に電力を供給しています。
バッテリーが劣化すると供給電力が下がり、エンジン始動できなくってしまいます。セルモーターの回りが弱くなるなどバッテリーの劣化兆候が出てきたら、バッテリーを交換しましょう。(交換時期は2年~5年位と言われています)
交換の際にはバッテリー液補充が不要なメンテナンスフリータイプを選択するとよいと思います。
ブレーキPAD、ブレーキフルード、ブレーキホースなど
ブレーキPAD残量、ブレーキローター摩耗状態などを点検し、必要に応じて部品交換します。
ブレーキフルードが劣化すると、沸点が下がりペーパーロック現象でブレーキペダルを踏んでも制動がかからない状態になるため、定期的な交換・エア抜きが必要です。(ブレーキフルードの交換時期は2年~4年位と言われています。※サーキット等 スポーツ走行をする場合はもっと短期間で交換が必要です)
ゴム製の純正ブレーキホースは4年~6年位で交換時期になります。スポーツタイプのブレーキラインを使うと、ダイレクトなペダルタッチが得られ、耐久性・信頼性も向上します。スポーツ志向の強いユーザーさんにおすすめします。
長期間使用されたブレーキキャリパーはオーバーホール(分解整備)が必要です。(キャリパーのOH時期は5年~10年位と言われていますが、安全にかかわる部分ですので早めの実施を推奨します)
タイヤ、サスペンション、ブッシュなど
タイヤの残り溝や摩耗状態をチェックし、必要に応じて交換します。
サスペンションやブッシュ類も長期間の走行で劣化してきますので定期的な点検やメンテナンスが必要です(サスペンションやブッシュ類の交換時期は50000~100000km位と言われています)
タイミングベルト、テンショナー、プーリーなど
タイミングベルト、Vベルト、ウォーターポンプ、テンショナー、プーリーなども長期間の走行で劣化してきますので定期的な点検やメンテナンスが必要です(タイベルやウォーターポンプの交換時期は80000km~100000km位、Vベルトの交換時期は50000km位と言われています)
※Vベルト:車種によってファンベルト、オルタネーターベルトなどと呼ばれる場合もあります