アイドリング不調の原因を徹底的に追う
CT9Wランサーエボリューションワゴンのご入庫です。「最近アイドリングが不安定で、加速もどこかもたつく感じがする」とのことでご相談をいただきました。症状は出ているのですが、エボワゴンの4G63ターボはタフなエンジンというイメージもあり、オーナー様もまさかここまで深刻とは思っていなかったようです。
コンプレッション測定で事態が発覚
まず基本に立ち返り、コンプレッション(圧縮圧力)測定を実施。結果は衝撃的でした。4気筒のうち1気筒のコンプレッションがほぼ0。エンジンの根幹を成す圧縮ができていない状態です。この時点でエンジン内部の深刻なダメージを疑い、さらなる点検へ進みます。
タービンブレード欠けがエンジンを壊していた
原因を辿っていくと、タービンのコンプレッサーブレードが欠けていたことが判明しました。欠けたブレードの破片がエンジン吸気側へ吸い込まれ、バルブにクリティカルなダメージを与えていたのです。具体的には吸気バルブが割れており、それが原因でピストン上部の気密が保てなくなっていました。
ダメージの連鎖(今回確認された症状)
- タービン:コンプレッサーブレード欠け
- エンジン吸気バルブ:破損(ブレード破片の衝撃による割れ)
- 1気筒:コンプレッション 実測ほぼ0
- アイドリング・加速への影響:顕著な不調として表れていた
エンジン+タービン 同時オーバーホールの判断
タービンとエンジンを同時にオーバーホールする判断をしました。タービン単体だけ直しても、エンジン内部に残ったダメージを放置すれば再発・追加故障のリスクがあります。「一度開けるなら、徹底的に」がHRSの方針です。
タービンオーバーホールの詳細についてはタービンオーバーホール専用ページでも解説しています。
オーバーホール完了・試運転
エンジン内部を開け、バルブ交換・面研・各部クリアランス調整を実施。タービンは各部品を洗浄・点検のうえ消耗パーツを新品に交換し、バランス取りまで行いました。組み付け後の試運転ではアイドリングがピタリと安定。加速の力強さも完全に戻り、4気筒がきちんとシンクロして動いている気持ちよさが伝わってくる仕上がりになりました。
タービン異常のサインを見逃さないために
今回のケースでは「アイドリング不調」という比較的軽い症状に見えたものが、実はタービンとエンジンの複合ダメージでした。タービン系の異常は早期発見が修理費用を大きく左右します。以下のような症状があれば早めにご相談ください。
- 白煙・青煙が増えた
- アイドリングが不安定・息継ぎする
- 加速時の伸びが明らかに落ちた
- 高周波の笛のような音、またはガラガラ音がする
- ブーストが以前より上がらない(または上がりすぎる)
▶ タービン・エンジン整備のご相談はこちら(GarageHRS / 横浜市都筑区)
アイドリング不調で入庫した CT9W エボワゴン。いろいろ調べてみたら、1気筒 圧縮が0(涙
こうなるとエンジンとタービンはオーバーホールの必要があり、一式 修理を行いました
GarageHRS タービンOH -> https://www.garagehrs.com/service/turbine_oh/
GarageHRSでは 純正スペックの標準オーバーホールのほか、いわゆるハイフロー仕様や競技用超高回転精密バランス、ハイレスポンスチタンシャフト、低フリクション加工等高性能・高精度のパーツ&加工を駆使してタービンのポテンシャルを引き出すこともできます。
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